春夏期『新しい造形表現にチャレンジ』NHKくにたちオープンスクール 文字を使った表現&プレート・ポートレート

先日、7月24日に私が講師をしているNHK国立オープンスクール・春夏期の講座が終わりました。(講座名:新しい造形表現にチャレンジーコラージュ・抽象画ー)
毎年8月はパリに行くので夏季休暇となり、次は秋冬期・11月13日(日)からとなります。 写真は一部でたくさん載せられないのが残念なぐらい、個性的で面白い作品が沢山出来上がりました。
今期・春夏期4/10〜5/8の前半は、フランスでしか手に入らない文字型を使った表現として前期にやっていた事を応用した作品の講評から。受講生に自分なりの作品をつくってきて頂くという課題をだしていたので、その講評と応用編続きからでした。 
後半5/22〜7/24(5回)は、ジュリアン・シュナーベル Julian Schnabel の代表作品「プレートペインティング」という技法から「プレート・ポートレート」という技法を制作しました。↓制作過程は前半の後に。


私がパリの蚤の市で講座のために買ってきたフランス特有の文字型


前の冬期:フランスの文字型を使った表現の講評会の様子から



T.Yさんの作品


S.S.さんの作品

A&K.M. さんの作品


春期最初の講評会:K.Aさんによる課題作品


K.Fさんの課題作品



講評をするために、毎回、受講生各人が制作してきた作品を並べて置きます







K.Aさんの課題作品

Y.Yさんの課題作品

K.T.さんの途中の作品


S.S.さんの制作途中の様子


S.S.さんのイニシャルを使った作品



後半5/22〜7/24(5回)は、ジュリアン・シュナーベル Julian Schnabel の代表作品「プレートペインティング」という技法から「プレート・ポートレート」という技法をとりあげ、制作しました。
だいぶ以前、講座でした事のあるこの技法が面白く今見ても良い作品が出来たと思うのでまたやってみたいという受講生からの要望でする事になりました。
この「プレート・ポートレート」という技法は、まず割れたお皿を支持体に貼り付けます。その上に具象的に自画像や肖像画を描いていくことで、平面でありながら立体性が生まれ、強い質感を加味することができるという、かなり独創的で面白い技法です。
今回具象的に描いていく対象は自画像にしました。日頃見ているようで見ていない一番身近な存在である自分という対象を客観的に見つめて頂く良い機会だと思ったからです。
この技法とジュリアン・シュナーベルについては、下記を↓(写真の下)をご参照ください。
この「プレート・ポートレート」による受講生の作品は、12月11日〜25日まで(最終日12:00まで)くにたちオープンスクールの通路に展示する予定です。 
通路展についてはまた近くなってからブログにご案内を掲載いたします。


5/221回目は、お皿の配置と割ることから


お皿のおよその配置を考えてから金槌で割っていきます
割り方や配置には注意点があります





5/22: 2回目   画面に割れた皿を配置して貼っていきます


貼ったお皿の上から自画像を描いていきます
すでに家でやってこられた方もいて進み方は人それぞれです


まだ途中ですが、感じが出てきたところ


6/26: 3回目  自画像をお皿の上に描いていきます






制作風景







7/24: 5回目 受講生作品:だいぶ自画像が出来てきました
続きは、私が指摘した点を夏季休暇の間に各人に仕上げてきて頂きます
休暇中の課題は、もう一点同じ手法でプレート・ポートレートを制作してくることです 












ジュリアン・シュナーベル Julian Schnabelとは

1951年10月26日生まれ。 アメリカ合衆国の美術家・映画監督。
新表現主義(Neo Expressionism)の画家として著名。
ニューヨーク出身。 60年代半ばから10年ほどテキサス州に住み、ヒューストン大学で
美術の学士号を取得する。1980年代のニュー・ペインティングの代表的作家。
ヒューストン大学卒業後、タクシー・ドライバーやコックをしながらヨーロッパに滞在する。1979年、カンバスいっぱいに陶器の破片を貼りつけ、その上に荒々しいタッチで死、暴力、神話といったイメージを描いた作品を発表して注目された。当時、マスコミを通じてサクセス・ストーリーとして頻繁に取り上げられ、シュナーベルは短期間でスーパースターになり、1980年代のニューヨークでデビッド・サーレとともに時代の寵児になった。
80年代は新表現主義の芸術家としてニューヨークで活動。
同じく新表現主義の画家で27歳の若さで亡くなったジャン・ミシェル・バスキアの伝記映画「バスキア」(96)で映画監督デビュー。 続く「夜になるまえに」はベネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞。「潜水服は蝶の夢を見る」でカンヌ国際映画祭とゴールデングローブ賞の監督賞を獲得する。第67回ベネチア国際映画祭で上映された「Miral」を含め全作品で実在した人物を題材にしている。音楽活動も行い、多方面で才能を発揮している。

現ニューヨーク在住。
公式ウェブサイト
http://www.julianschnabel.com/

主なフィルム(映画)
· バスキア Basquiat (1996) 監督・脚本
· 夜になるまえに Before Night Falls (2000) 監督・脚本
· 潜水服は蝶の夢を見る La Scaphandre et le papillon (2007) 監督
· ルー・リード/ベルリン LOU REED'S BERLIN Lou Reed's Berlin (2008) 監督
· ミラル Miral (2010) 監督

Plate Paintings プレート・ペインティングとは

カンバスに立体的なものを貼りつける手法は、キュビスムにみられるパピエ・コレに端を発しているが、本来のパピエ・コレは画面内にオブジェや色彩を構成して具体的な表現を成立させるものが主流である。それに対し、シュナーベルの割れた皿は、まさに割れた皿としての存在を誇示している。そして、その上に描かれた具象的で寓話的な表現は緊張感があふれ、ダイナミックな印象を与えている。
「プレート・ペインティング」とよばれるこれらの作品は、貼りつけられた皿が絵画表現に独特な質感を加味し、平面と立体という両義的な表現を成立させている。
壊れた皿の活用は、ガウディの建築のモザイクからシュナーベルが思い起こしたとも批評家に指摘されている。
また、シュナーベルはヨーロッパの美術史や伝統などからモチーフを引用すると同時に、日常生活の素材や情報を活用している。実験的な手法として、板、ビロード、動物の毛皮、麻袋、防水布、アルミニウム、リノリウムなど多彩な下地をカンバスとして使うとともに、鹿の角、車のボディ、綿花、時計のぜんまい、拾った木片など、あらゆるものを貼り付ける方法をとっていることも挙げられる。 とくにシュナーベルの荒々しい筆致や色彩の使い方はアメリカの抽象表現主義の影響を顕著に表している。


シュナーベル:Plate Portraits プレート・ポートレート作品



Untitled (Anne McNally)
oil, plates, bondo on wood, 74 x 60", 1987