アントワープ2日目・美術館巡り

アントワープ2日目は、3カ所の美術館(博物館)に行きました。
一日に3つも行くとさすがにハードでしたが、個人の邸宅を美術館にした場所はやはりいいです! 内容も充実していました。 
特に一番印象的だったのは、あまり観光客のいない、Museum Mayer van den Bergh マイヤー・ヴァン・デン・ベルグ美術館。1人のコレクターの収集品をその邸宅に展示した美術館です。42歳で早死にしたコレクターの母親が息子の遺志を形にした素晴らしい美術館で、ゴシックとルネッサンス期を代表するフランドル、ネーデルラント芸術の名品ぞろい、ブリューゲルの名作もあり、1人のコレクターの確かな眼を通して収集されたのが分かり、どれも一定レベルの大変に質の良い作品ばかりでした。

ルート順に写真をのせますと、1:ルーベンスの家→ 2:マイヤー・ヴァン・デン・ベルグ美術館→ 3:カテドラル(ルーベンス)→ 4:プランタン・モレトゥス印刷博物館(最古の印刷機のある世界遺産の博物館)

1:ルーベンスの家
↓ルーベンスは画家ですが、外交官でもあったので、王侯貴族などに顔が広く、そういう肖像画や教会からの依頼などが殺到した当時として大成功をおさめた画家で、かなり世渡り上手だったのだと思います。その邸宅にはルーベンスとその弟子や工房の助手達の作品が展示されています。その屋敷の豪邸ぶりには驚くばかり。。。

このサロンにはルーベンスの自画像がありました


床のタイルがとても好みの感じ
中庭の眺め 個人の画家の邸宅とは思えない広さ



子供達の大きさで、この暖炉の大きさが分かりますね



ルーベンスの家の庭 
イタリア様式っぽいです
絢爛豪華なルーベンスの家を後にして、マイヤー・ヴァン・デン・ベルグ美術館へ


移動している途中、朝市(マルシェ)がやっていました
ゴーダチーズのようです。

2:マイヤー・ヴァン・デン・ベルグ美術館
この美術館のサイトは以下です↓ 
かなりおすすめの素晴らしい美術館

美術品蒐集家であった貴族フリッツ・マイヤー・ファン・デン・ベルフ(1858年 - 1901年)の個人コレクションを展示している。彼の死後、母へンリエットにより、ネオ・ゴシック調の邸宅が建設され、1904年からコレクションとともに一般公開されている。

14世紀から16世紀にわたる絵画や彫像、写本、ステンドグラス、陶器、タペストリー、調度などを主に収蔵している。ピーテル・ブリューゲルの『悪女フリート』が有名だが、他にもクエンティン・マサイス、ヨース・ファン・クレーフェ(英語版)、コルネリス・ド・フォス(英語版)、ヤン・ブリューゲル、ヤン・ホッサールト、ピーテル・アールツェン(英語版)などを所蔵している。

マイヤー・ヴァン・デン・ベルグ美術館正面
カテドラルからも近いです。
私はユネスコのアーティストカードで入場無料でした。








ステンドグラスもコレクションの1つです
作品がさりげなく置かれ、とても雰囲気のよい美術館

素晴らしい邸宅が美術館になっています。
それにコレクションしている作品の趣味がよい!


ブリューゲルの名作「ネーデルランドの12の諺」
『狂女フリート』 ブリューゲル作
『狂女フリート』の部分アップ  この面白さ! 
いつまでみてても見飽きない面白さです
これが何百年も前に描かれた絵とは思えません。
今の漫画に通じるものを感じます





42歳で落馬で亡くなった貴公子:フリッツ・マイヤー。。。
この美術館に収蔵されている作品のコレクターです。
それにしても、個人でここまで(3000点以上)のコレクションは
なんというすごさ。


あまりに膨大な作品数で、撮った写真はまだまだありますが、アップはここまで(笑)
↓カテドラルへ

3:アントワープ大聖堂
アントワープのカテドラル内部  
入場料をとるので、皆さん入口でちょっとびっくり。
ルーベンスの名作があるためもありますかね。。


名作アニメ「フランダースの犬」ででてくる
ルーベンス作の祭壇画
名作アニメ「フランダースの犬」ででてくるルーベンス作の祭壇画
この天上のマリアに主人公のネロは亡母の面影を重ねてみていました。
優しい笑顔になんだか分かる感じがします。
「フランダースの犬」では、最後このカテドラルで、ルーベンスの
絵の前で、パトラッシュという犬と一緒に少年ネロは亡くなります。
飢えと寒さと裕福な大人達の無理解と。。。
(ネロは、木こりや風車のおじいさんなどの職人肌の心ある人には
将来を期待されとても好かれていました)
アニメのナレーションの最後で、”ネロとパトラッシュは
優しいおじいさんの元へと旅立ったのでした” 
で終わる話しにかなりのショックでした。
なんという話しかと、生き抜く事の厳しさがひしひしと・・・
ちなみにネロ少年は絵の才能があり非常に心の優しい少年・・・
そういう子が何も死ななくたって!と、世の無情を感じるお話しです。








カテドラルの正面
この後、 世界遺産・プランタン・モレトゥス印刷博物館へ

4:プランタン・モレトゥス印刷博物館
Museum Plantin-Moretus/Prentenkabinet
Vrijdagmarkt 22-23 2000 Antwerpen
以下説明は、ウィキペディアから↓ 印刷・出版業界の人は必ず訪れた方がいい場所!

【プランタン・モレトゥス印刷博物館はルネッサンスおよびバロック時代にさかのぼる印刷出版工房。当時パリ、ベニスと並び世界の印刷術の先端をいく都市であったアントワープで創業されました。
博物館の名前は16世紀後半最高の印刷出版者であった創業者のクリストフ・プランタン(1520-1589)およびプランタンの後継者モレトゥスに由来します。

16世紀以降のヨーロッパ世界でもっとも名声を馳せた印刷所だった同所は、現在も書物および写本3万、木版画1万5千、銅版画3千、インキュナブラ150、その他絵画やデッサンなど、世界最大の展示数を誇る印刷博物館として世界中に知られています。特に世界一古い印刷機や親交のあったルーベンスの絵画など一見の価値があります。当時の大富豪の邸宅、暮らしぶりも見ることができます。

1867年まで実際印刷業に使用されていた博物館は、建物自体に建築的価値があると同時に、当時のヨーロッパで最大の印刷出版所の生活と仕事の完全なる例証であることから2005年世界文化遺産に登録認定されました。
また、同博物館所蔵の古文書は2001年にユネスコの「世界の記憶」として認定を受けています。】


ずらっと並ぶ最古の印刷機の数々







世界遺産となっている建造物の中庭



昔、ここは書店として買いにこられた場所らしいです

歴代創業者の肖像画のあるサロン

まさか、こんなに沢山の展示が続くとは・・・
という膨大な量の資料が1・2階とあります。
昔の建造物で床がギシギシきしみます。
最古のチェンバロがありました!

昔のアントワープの地図  
ここで印刷されたもの 

言葉を失うほどのすごさでした。
さすが初の世界遺産の博物館だけあります


脳も疲れ、かなり歩きくだびれ、休憩(笑)
チェリービールが美味しい
途中で見つけた画廊の建造物には、ホタテのマークが!
昔は巡礼者の休憩所だったのかしら。。
サンジャックと何かゆかりがあるのは間違いないです。
アール・ブリュットの様な面白い作品でした。
アントワープで見つけた現代美術の画廊
ペットボトルと気球が一緒に描かれています・・