ZINGARO "On achève bien les anges" ジンガロ「天使のとどめを刺す」

ZINGAROジンガロ(乗馬劇団)のチケットがとれたので行ってきました。
2011年のパリ滞在中に母と観に行った時は、「CALACAS」というテーマで、TV局が生中継していて、敷地内のレストランで食事をしていた私にカメラがまわり(日本人で珍しいのもあるでしょう)冷や汗をかきながらインタヴューに答えたのを覚えています。
私は日本ではみていませんが、過去には日本での公演も行っていて、ジンガロファンは日本にも多々います。

http://bartabas.fr/theatre-zingaro/


毎回テーマがあり、今回は『 "On achève bien les anges" 「天使のとどめを刺す」』がタイトルです。
開演前の隣の小屋のレストランは、以前公演した衣装や小道具や写真などが飾られミュージアムになっていて、相変わらずの楽しい雰囲気で、会場は満席で凄い人でした。 
公演中は撮影禁止なので写真はありません。
脚本・監督であり天才的馬術師のBartabasバルタバスが何度も出演するシーンがありました。 
最初の方で、”仰げば尊し” の歌の編曲でバルタバスが馬に乗って出て来て、馬が整備された砂の上をまわりながら足跡で上手に水紋のような円を4つ描いていくシーンがあり、それは日本の石庭を表現しているようでした。 また、今回の公演では、日本人の女性管楽器奏者(Yuka Okazakiさん)がピエロ楽団の中にいて、その彼女とバルタバスと馬との競演のシーンもあり、曲なども所どころ日本を感じる部分がありました。 
詩的なシーンも満載で、ぶっ通しで約2時間。
最後は泡と消えるのか、泡が天井からたくさん降ってきて、とても良い公演でした。
以前の公演はすべてDVDとカタログを持っているのですが、今回の公演のカタログも買ってきました。


ピエロ楽団にいる日本人奏者(Yuka Okazakiさん)
バルタバス&馬による競演の模様が入口の大き
な写真になっていました。






レストラン入口 
懐かしいメロディを弾いていました


レストランの中は子どもから高齢者まで開演を待つ人でいっぱい



ミュージアムのようになっているレストランにて























レストランでは飲物の他に軽食も可


開演を知らせるピエロ楽団による演奏


video


はじまるよ〜!というピエロ楽団による演奏の動画 ↑


video


↑クレーンでつり上げられていくのが面白い


ピエロ楽団はまるでミニチュアの箱の中にいるかの
ようにだんだんと天空につり上げられていき、とても
面白いアイデアでした。





劇場入口


出番を待つ馬が通路から見えます。
寒いので洋服を着ていました。


出番待ち兼馬小屋が会場への通路の下にあります


観客が会場に入場しているところ



会場は満席で階段にまで座っている人がいました





公演後、いつものたき火がされていました。 






今回の公演のカタログ(12ユーロ)



Carte Blanche à Tino Sehgal, Palais de Tokyo, Paris

パレ・ド・トーキョー(パリ)で開催されているティノ・セーガル(Tino Sehgal、1976年イギリス生) の展覧会に行ってきました。
パフォーマンスかと思いきや、並んだ先には… 何もない美術館の空間をたまたま前後になった数人(3人)でまとまって、案内係がする色々な質問に答えながら、会話をしながら歩くという…
初めての体験でした。

・最初の案内係は小学生ぐらいの男の子で、”Progrès 進化”について。
・次は高校生ぐらいの女の子、”伝統とテクノロジー” について。
・そして大学生ぐらいの男性は、”正義” について。
・最後は、年配の女性… ”家族や自分の人生” について語っていましたが…
途中で一人の女性と話し込みはじめたので、神妙に聞いてるのもなんだかバカバカしくなって途中でお先に失礼しました。。。その後、地下の展示室には苔が生えた場所や植物やら。

ティノ・セーガルは「構築された状況」(constructed situation)と呼ぶ作品で、彼の考えた指示をパフォーマーが実行する(セーガル本人はそこにはいない)作品を発表しているけれど、今回の意図はどこにあるのか。案内係がだんだん歳をとっていくことに気がつきましたが、それは成長の過程をあらわしているのか。それともそれは偶然でまったく関係ないのか。 
ところで、Carte Blanche という展覧会名は、白紙委任状、白紙(署名だけしてあって自由に記入できる)という意味があります。 

まったく何もない美術館の空間をグループのかたまりが会話をしながら歩く様子が何やら不思議な光景だったので、その様子を写真に撮ってもいいか聞いたところ、写真はダメとのこと。
セーガルは、作品の売買時に、指示の文面、領収書、カタログ、写真が一切存在しないように要求しているらしく、どんな形の記録も残されないようにしている為なのか。
記録や形を残さないというのは、本来の美術のあり方とは正反対の事であり、それは驚きはあるけれど、徹底して行われるものだろうか、という疑問もあり、コンセプト上の事だけで実際には不可能ではないか、と思えます。 実際に今までのパフォーマンスはビデオでyoutubeなどに残ってしまっているわけですから。 

セーガルは、ベルリンで政治経済を、エッセンでダンスを学び、2000年からアーティストとしての活動を始めたとの事で、やっぱりなぁ、となんとなく納得。
コンセプチュアルアートは、理解を要求して押し付けがましい事があります。
展覧会名のように、白紙なのだから、考え方も自由で良い、という事なのか。
それなら、観客を参加させて質問をする形式自体が自由ではないように思えてきます。

自由という意味の概念をもう一度はっきりさせた方がいいのでは、と
久しぶりにもやもやした気分になった展覧会でした。
展覧会と書くのは場所が美術館だからで、私は苦手な参加型パフォーマンスでした。
ただ、「こんなのがあった」と誰もが初めての体験に話題にはなるわけで、政治経済学を勉強してきた人が考えそうな内容だと思いました。

Palais de Tokyo 『Carte Blanche à Tino Sehgal』12/10-18/12/2016



パレ・ド・トーキョーは、先の投稿のビュッフェ展を開催している
パリ市立近代美術館と向かいあわせにあります。
今回は、対照的な作品の展覧会でした。



入口



入口の空間天井だけ水玉模様
いつもの展示室の空間にはなにもありません



地下展示室につくられていた苔





ベルナール・ビュッフェ回顧展 パリ市立近代美術館 Bernard Buffet Rétrospective 

10月18日パリ市立近代美術館で開催されているベルナール・ビュッフェ回顧展をみてきました。
思ったよりも作品数が多く、初めて見る作品から静岡のクレマチスの丘(日本)にあるベルナール・ビュッフェ美術館でみたことのある作品まで、見応えのある内容でした。 この静岡の美術館へは車をとばしてみに行き、その建築物と共に印象に残っています。
それにしても音楽ピエロシリーズについて1990年の5.5millions de F(Fはフラン)という売り上げには驚きます。 
あまりにも売れすぎスターのアーティストの最期は、ビニール袋をかぶって自殺、というのも衝撃的な事実です。 亡くなる数年前からリュウマチにかかり、絵筆を持てなくなった為なのか。 そして、遺作のように、死神に取憑かれたのか。
今回Arteアルテで編集したDVDを購入しみてみたのですが、ビュッフェの画家としての一生がよくわかる様につくられていました。そのDVDでは、日本との関わりについてもよく語られていて、登場するビュッフェの息子が、「ビュッフェの死に方はまるで日本の侍のようだ」と語っています。 自決、という考えを美化して捉えているようでした。
また、奥様のアナベルが、アトリエの真ん中で倒れていたビュッフェを見つけた時の事を語っています。黒いビニール袋をかぶり、首にはガムテープでとめて巻いてあり、すぐにキッチンからハサミを持ってきて剥がし、顔をみたところ、苦しみもがいた顔だった、と言っているのです。 まるで、ビュッフェの晩年の絵に描かれている人物像の顔のようだったのではないか、と思いました。
そして、このDVDで最後にうつる作品は、富士山がバックに描かれた作品でした。


以下は展覧会案内から↓

『Bernard Buffet Rétrospective』
『ベルナール・ビュッフェ 回顧展』
http://www.mam.paris.fr/fr

20世紀の最も著名なフランスの画家の一人でありながら、長らく賛否両論の的となってきたベルナール・ビュッフェ。ビュッフェの最大のコレクターであり、画廊主でもあったモーリス・ガルニエの寄贈を中心とするビュッフェの重要なコレクションを所蔵するパリ市立近代美術館では、その作品群を改めて精査する機会として本展を実現。静物画や肖像画に自画像など、ベルナール・ビュッフェの画業を追う。


















「Le Buveur  酒飲み」1948





















「Autoportrait   自画像」1952



空間が広くのびのびする展示








「Horreur de la guerre, L'Ange de la guerre
戦争の恐怖  1954












サーカスの作品はやはり良い



ピエロの作品は史上一番高値で売れた
のですが、その理由は分かる感じです



Je ne crois pas à l'inspiration. 
と書かれています
















力強い海鷂魚(えい)の作品















奥様のアナベルを描いた作品
この肖像画では眼球に黒目が
描かれています。
他の顔表現では黒目が塗りつぶ
されていません。












狂った人達のシリーズの1つ




「L'Enfer de Dante, Les Harpies. ダンテの地獄、鬼ばばあ」1976











雑誌に紹介されたビュッフェ作品の価格



「Mes singes, Gorille」1997




血管がむき出しシリーズ



歌舞伎  を描いた作品
「Kabuki, Ren Jishi」1987