黒沢清監督『岸辺の旅』『Vers l'autre rive』を観てきました。
日本映画をパリで観る良いところは、字幕が仏語なので勉強になるところですが、そもそもあまり言葉が少なく余白が多いのが日本映画の特徴です。
この映画も空間的で静かに流れていく映像でしたが、時々、心理的に強く訴えかけてくる印象的なシーンがありました。
初めて行ったサン・ラザール駅近くの映画館は、昔からある場末の様な雰囲気の小さな映画館で、伊丹十三監督の「タンポポ」も上映中でした。
この「岸辺の旅」「Vers l'autre rive」は、この様なパリの場末の古い小さな映画館でみるとじっくりと心に入ってくるような内容の映画でした。
あの世とこの世の境界が曖昧な世界があってもいいのではないか、愛する者を失う事とはどういうことか、死とは何か、人とは何かしら後悔を残して死んでいくもの、についての監督のメッセージを感じます。
特に、亡くなった人間が生きている人間と同次元・同空間で当たり前にいるところの描写が興味深かったです。
これまでの黒沢清監督の映画の中で、一番好きな作品かもしれない、と思いました。
『LE VENT SE LEVE』 風立ちぬ
http://kazetachinu.jp/
日本語の題名は「風立ちぬ」。。
仏語題は、「LE VENT SE LEVE」。。。ル ヴァン ス レーブ
この言葉は、映画の中で実際に仏語で話されています。
たまたま偶然の帰り道、これを上映しているODEON(オデオン)の小さな映画館の前を通りがかり、上映時間をきいたら、今ちょうどはじまるところだ、というので、これまた偶然!と思い観てしまいました。
想像以上によかったです。
日本の映画やアニメをなぜパリでみるの?、と思われるかもしれませんが、字幕が仏語なので、結構勉強になります。
それと、母国語を外国で心おきなく聞く、というのは、なかなか日本にいる時とは違った感慨があるものです。外国に長期でいる方は、この感覚がよく分かると思います。
まして、名作ならなおさらです。
私は、昔の日本映画の素晴らしさというものを、パリに暮らす事で再発見しました。
さて、このストーリー、宮崎駿監督が、かなり心をこめて力をいれてつくった力作なのが分かります。
全体をとおして感じるのは、『志をもって生きることの大切さ』です。
志(こころざし)、を夢と置きかえてもいいです。
志や夢をいつまでも持ち続けて生きるという事は、実際には難しそうですが、夢をみることは誰にでも自由です。
そして、この夢をみる力と、志を持ち続ける事で、どんな苦難にも立ち向かっていけるのです。
そして、夢を持ち続ける限り、いつか必ず実現できます。
この映画は、最初のシーンからひきこまれました。最初は、関東大震災の地震からはじまるのです。
その時代性が今みると興味深い。
飛行機の設計というものに情熱と夢をかけた人物、堀二郎、が主人公。
後で分かりますが、あのゼロ戦の設計者なのです。
私は、まったくストーリーも知らず、真っ白の状態で観たのがよかったのかもしれません。
最近は、涙もろいのですが、それにしてもよく泣けました。
あの時代に、こういう人が。。。という感慨と、あの時代だからこそだな、、あの時代はこういう人達がいたなあ、、(インテリジェンスは父の姿と重なり。。。父も本郷でしたので)、、と色々な思いが交錯し、、、そして残った感想は、宮崎駿監督が言いたいのは、どんな時代でもどんな分野でも、 『 ”こころざし” を持って生きる という事の大切さ』、でした。
宮崎駿作品のファンとしては、これが最後の作品、というのは残念ですが、傑作を最後に残して、美しく去る、というのは、原節子などの大女優に通じるものがあります。
美しい映画を撮って、美しく去る。。。
その意味の深さを感じる今日この頃です。
想像以上によかったです。
日本の映画やアニメをなぜパリでみるの?、と思われるかもしれませんが、字幕が仏語なので、結構勉強になります。
それと、母国語を外国で心おきなく聞く、というのは、なかなか日本にいる時とは違った感慨があるものです。外国に長期でいる方は、この感覚がよく分かると思います。
まして、名作ならなおさらです。
私は、昔の日本映画の素晴らしさというものを、パリに暮らす事で再発見しました。
さて、このストーリー、宮崎駿監督が、かなり心をこめて力をいれてつくった力作なのが分かります。
全体をとおして感じるのは、『志をもって生きることの大切さ』です。
志(こころざし)、を夢と置きかえてもいいです。
志や夢をいつまでも持ち続けて生きるという事は、実際には難しそうですが、夢をみることは誰にでも自由です。
そして、この夢をみる力と、志を持ち続ける事で、どんな苦難にも立ち向かっていけるのです。
そして、夢を持ち続ける限り、いつか必ず実現できます。
この映画は、最初のシーンからひきこまれました。最初は、関東大震災の地震からはじまるのです。
その時代性が今みると興味深い。
飛行機の設計というものに情熱と夢をかけた人物、堀二郎、が主人公。
後で分かりますが、あのゼロ戦の設計者なのです。
私は、まったくストーリーも知らず、真っ白の状態で観たのがよかったのかもしれません。
最近は、涙もろいのですが、それにしてもよく泣けました。
あの時代に、こういう人が。。。という感慨と、あの時代だからこそだな、、あの時代はこういう人達がいたなあ、、(インテリジェンスは父の姿と重なり。。。父も本郷でしたので)、、と色々な思いが交錯し、、、そして残った感想は、宮崎駿監督が言いたいのは、どんな時代でもどんな分野でも、 『 ”こころざし” を持って生きる という事の大切さ』、でした。
宮崎駿作品のファンとしては、これが最後の作品、というのは残念ですが、傑作を最後に残して、美しく去る、というのは、原節子などの大女優に通じるものがあります。
美しい映画を撮って、美しく去る。。。
その意味の深さを感じる今日この頃です。
オススメの映画 「アーティスト」ARTIST
先日、今年のアカデミー賞5部門受賞に輝いた話題のサイレント映画、「アーティスト」を観てきました。この映画「アーティスト」は、サイレント全盛期に活躍した男優が主役の白黒サイレント!です。
日本では、「アーティスト」というとクラシック以外の(ロックなどの)ミュージシャンの事になってしまうようですが、パリでは芸術家の事を普通に Artiste と呼びますので、日本にいるとすご〜く違和感を感じます。
どこでどうなってアーティストの意味が芸能人やミュージシャン限定の狭い定義になってしまったのでしょうか?。。。私にとっての日本の七不思議の1つです。
海外では、芸術家の事を ”アーティスト”、とよびますので、そこには音楽家だけでなく造形家、写真家、陶芸家、作曲家、俳優、詩人、映画監督、etc、、創作活動に関わっているだけではなく、特に独自の世界を切り開いている人達すべてを ”アーティスト”ー芸術家ー、とよぶのです。
前おきが長くなりましたが、この映画、私は久しぶりに感動しました。 最後の最後まで白黒のサイレント映画!で、最初から入り込んでいける構成になっており、古き良き時代を感じさせながら、新しさもあり、ほんとに驚きました。これが、私と年齢の近い監督(ミシェル・アザナヴィシウス)がつくった映画だとは!!つくづくその映画の基本に立ち返った手法と勇気に感心しました。
それに、良い意味でのヒューマニズムがあり、主人公の男優の人生の紆余曲折だけでなく、女性の仕事や愛に対するひたむきな、純度の高い情熱が感じられるところも素晴らしい映画である所以です。 主人公の女性が自分の力で人生を切り開いていき、成功していくところも惹きつけられるのです。もしこの女優が仕事で成功をおさめなければ、これほどの感動はないでしょう。
私はどちらかというと恋愛ものは苦手で、ほとんど観ないのですが、今回は恋愛もの、などという範疇ではなく、愛というものの本質が描かれていました。
これは保存版にしなければならないので、DVDが発売されたら購入する予定でいます。
映画「アーティスト」ARTIST の紹介ページ↓ 現在上映中ですから是非映画館のスクリーンで観ることをオススメします。お見逃しなく。(家のTV画面などで観るのとでは印象が全然違います)
http://artist.gaga.ne.jp/
この↓ページで、Production Notes を読んでみて下さい。以下のような、監督の興味深い言葉が掲載されています。
http://artist.gaga.ne.jp/site/
日本では、「アーティスト」というとクラシック以外の(ロックなどの)ミュージシャンの事になってしまうようですが、パリでは芸術家の事を普通に Artiste と呼びますので、日本にいるとすご〜く違和感を感じます。
どこでどうなってアーティストの意味が芸能人やミュージシャン限定の狭い定義になってしまったのでしょうか?。。。私にとっての日本の七不思議の1つです。
海外では、芸術家の事を ”アーティスト”、とよびますので、そこには音楽家だけでなく造形家、写真家、陶芸家、作曲家、俳優、詩人、映画監督、etc、、創作活動に関わっているだけではなく、特に独自の世界を切り開いている人達すべてを ”アーティスト”ー芸術家ー、とよぶのです。
前おきが長くなりましたが、この映画、私は久しぶりに感動しました。 最後の最後まで白黒のサイレント映画!で、最初から入り込んでいける構成になっており、古き良き時代を感じさせながら、新しさもあり、ほんとに驚きました。これが、私と年齢の近い監督(ミシェル・アザナヴィシウス)がつくった映画だとは!!つくづくその映画の基本に立ち返った手法と勇気に感心しました。
それに、良い意味でのヒューマニズムがあり、主人公の男優の人生の紆余曲折だけでなく、女性の仕事や愛に対するひたむきな、純度の高い情熱が感じられるところも素晴らしい映画である所以です。 主人公の女性が自分の力で人生を切り開いていき、成功していくところも惹きつけられるのです。もしこの女優が仕事で成功をおさめなければ、これほどの感動はないでしょう。
私はどちらかというと恋愛ものは苦手で、ほとんど観ないのですが、今回は恋愛もの、などという範疇ではなく、愛というものの本質が描かれていました。
これは保存版にしなければならないので、DVDが発売されたら購入する予定でいます。
映画「アーティスト」ARTIST の紹介ページ↓ 現在上映中ですから是非映画館のスクリーンで観ることをオススメします。お見逃しなく。(家のTV画面などで観るのとでは印象が全然違います)
http://artist.gaga.ne.jp/
この↓ページで、Production Notes を読んでみて下さい。以下のような、監督の興味深い言葉が掲載されています。
http://artist.gaga.ne.jp/site/
サラの鍵
「サラの鍵」
実は昨年の年末に銀座テアトルシネマで観たのですが、なにを書いたらいいのか言葉が見つからず、そのままになっていたのです。カタログのレビューでは、叙情的とか感動的とか、深く心をゆさぶられたとか高評価な様ですが、私の観た感想というのはちょっと違うものでした。最初に浮かんだのは、一昨年アウシュヴィッツ収容所跡を訪れた時に聞いた話で、"アジア人の中で日本人が一番来訪者数が少ない” という事実で、この映画を機にアウシュヴュッツにも訪れようと思う日本人が増えるといいな、という事でした。私が行った年末は映画館は満員で、注目を集めているようでしたので。一番よくないのは、無関心だからです。
どの人にとっても衝撃的なのは、サラが苦労の末に元の家にたどりつけて望みむなしく弟を発見するシーンでしょう。特に発見した時のサラの絶望的な悲鳴は印象に(耳に)残っています。 私は最初の方のシーンで猫が弟のいるクローゼットの壁をガリガリやっているのをみて、あの猫はどうなるのだろう、と猫の心配ばかりしていましたが、キッチンで死んでいた、という言葉にかなりショックでした。なぜ窓とかドアとかあけていかなかったのか、そんな少しの時間も余裕もなかったのか、と リアルな言葉と描写に衝撃をうけました。
サラは、弟を助け出さなければならない、という一念で助かるわけですが、もしこの事がなければ、収容所を脱走する事なく病気で死んでいたと思います。そういう意味では、この一念に助けられた、と言えるわけですが、結局大人になって自分の子供も授かるのに(それも男の子)自殺してしまうのですから、まわりに本当に心を許せる人がいなかったのでしょう、とにかくその絶望の深さといい、話しは限りなく悲劇的です。
映画としてはどこか救いがほしいものですが、主人公のジュリアにしても子供を授かったのに夫には中絶を求められ産む事を反対され、ですが結局産むことを選ぶので、夫とは別れるという、家庭的に不幸な感じが漂うわけです。この夫を通してみえてくるフランス人の徹底した個人主義は、日本人には自分勝手な利己主義者に感じられるでしょう。
私は前評判を聞いて泣ける映画かと思い、手にはハンカチをにぎって用意していたのですが、まるで泣けるシーンはなく、唯一最後のシーンの、ジュリアが生んだ女の子にサラ、と名づけた、と言って外を見ている子どものサラの後ろ姿がアップされるシーンでジーンとなり、そこだけが唯一救いがあり、つまり生命がつながっていくことを意味していたからです。
歴史的事実に焦点をあて、緊張感&緊迫感があってよくできてはいると思いますが、あまりヒューマニスティックな映画ではないと思いました。フランス人監督(おまけにパリ生まれ)だからでしょうか。。。
ユダヤ人虐殺に焦点をあてた映画は数多く観ていますが、例えば、「縞模様のパジャマを着た少年」は感動的でした。あれも悲劇的な最後ではあるのですが、主人公のドイツ人将校の子どもが子どもであるがために人種偏見をこえた友情をもつ事ができる、というテーマのようなヒューマニスティックな視点があるのです。
「ライフ・イズ・ビューティフル」にしてもユダヤ人の父と息子の(家族間の)深い愛情が描かれていました。そういう、何かヒューマニスティックでユーモアもあり叙情的な場面がこのサラの鍵には足りない感じがしました。
このヨーロッパ全体が加担したユダヤ人虐殺という事実は、歴史的事実を追っていくだけでは絶望だけしか見えてこないのです。映画という表現媒体ではもう少し救いの部分やヒューマニスティックな視点が必要だと思うのです。 そういう視点が入ることで、絶望がなくなるというわけではなく、かえって絶望もきわだつのですから。
サラの鍵 公式サイト↓
http://www.sara.gaga.ne.jp/
P.S. : 原作本を読んでいないので、原作本を読んだら違うかもしれませんが、この映画を観た後では読む気がしません。もうひとつ、この映画のジュリア役のクリスティン・スコット・トーマスの顔は、不幸な役をするのにあまりにもぴったりな顔で印象に残りました。
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