黒沢清監督『岸辺の旅』『Vers l'autre rive』

黒沢清監督『岸辺の旅』『Vers l'autre rive』を観てきました。

日本映画をパリで観る良いところは、字幕が仏語なので勉強になるところですが、そもそもあまり言葉が少なく余白が多いのが日本映画の特徴です。
この映画も空間的で静かに流れていく映像でしたが、時々、心理的に強く訴えかけてくる印象的なシーンがありました。

初めて行ったサン・ラザール駅近くの映画館は、昔からある場末の様な雰囲気の小さな映画館で、伊丹十三監督の「タンポポ」も上映中でした。
この「岸辺の旅」「Vers l'autre rive」は、この様なパリの場末の古い小さな映画館でみるとじっくりと心に入ってくるような内容の映画でした。

あの世とこの世の境界が曖昧な世界があってもいいのではないか、愛する者を失う事とはどういうことか、死とは何か、人とは何かしら後悔を残して死んでいくもの、についての監督のメッセージを感じます。
特に、亡くなった人間が生きている人間と同次元・同空間で当たり前にいるところの描写が興味深かったです。
これまでの黒沢清監督の映画の中で、一番好きな作品かもしれない、と思いました。





場末の幽霊がでてきそうな雰囲気の映画館。
この映画にあっています

チケット売り場もレトロ。パリにある昔ながらの雰囲気。 
入場もチケット売り場の女性が口頭で案内します





この画像のシーンは映画を観ると、「なるほど」と
分かるとても印象的なシーンです。

0 件のコメント: