忘年会 ランチ 梅の花・青山店

今年最後の講座の後で、NHK文化センター青山教室の受講生さん達と忘年会を「梅の花」青山店でしました。

梅の花 青山店↓
http://www.umenohana.co.jp/n_ume_no_hana/

日本料理が良いという受講生さんの意向で、今回は豆腐・湯葉をつかった創作懐石料理のお店にしました。講座のある青山一丁目からは徒歩10分ぐらいの場所でメトロ外苑前近くです。
平日のお昼の懐石は、ランチメニューと共にいろいろお手軽のがありますが、日曜日で忘年会という事もあり、梅の花のおすすめ懐石である「梅の花膳」(4600円)13品を予約しました。個室の掘りごたつ席を予約しましたが、ゆったりとした広さで清潔で明るい室内とコートなどを入れておけるクロークがお部屋にあるのがとても良かったです。冬はかさばる服が多いですが、入口に預けるのではなく部屋でしまえておけると便利です。
いろいろにアレンジした湯葉料理の味がとても美味しく、器などしつらえも気がきいていて、食後もまるで胃もたれせず、私の最近の日本料理の中ではヒット!の方でした。
外国人の知人を招待するのにもよさそうです。
料理が美味しかったので、話しもはずみゆったりとした忘年会ができました。


嶺岡豆腐、お浸し、湯葉煮  左の嶺岡豆腐は本当に美味しかったです。


冷酒は竹に入ってでました。これはいいですよね。

茶碗蒸し : 優しい味で美味しかったですが、白玉団子が入っていたのがおどきました。


お造り : まぐろと長芋をしそと湯葉で巻いてあり、これは見た目が美しいので、真似して手巻き寿司の要領でつくってみようと思いました。

名物 とうふしゅうまい

左:おしのぎ 右:湯豆腐 湯葉と豆腐を目の前の鍋で熱々が食べられます。ごまなどの薬味をのせて

生麩田楽 : 生麩は軽く、味付けがとても良かったです

湯葉揚げ : レモンをしぼって油分がさっぱり美味しかったです

湯葉グラタン 湯葉のグラタンは初めて食べましたが、とてもクリーミーでした。

飯物、湯葉吸物、自家製八女漬物


デザート 水羊羹、ごまアイス

お部屋のしつらえ
入口:中にたくさん個室と広い部屋があります。

クリスマスの食事会

Joyeux Noël  !! 
今年は23日(金)にクリスマスの食事会をゲストを招んで、自宅でしました。
毎年していると、恒例のようで、しないと一年が終わらない気分になるのが不思議です。
金額上限を決め、各自にプレゼントを持ち寄って頂き、皆さんでプレゼント交換をします。
いつもフォアグラを前菜に出していましたが、今年は生牡蠣と牡蠣グラタンなどを用意し、すべて用意した後で冷凍庫をよく見ましたら、昨年パリで購入したフォアグラとエスカルゴが入っていて、あら〜、、忘れていた!というわけで、これは新年に食すことになりました。缶詰なので賞味期限がまだでよかったです。
今年の主菜は、タジン鍋の料理で、1人用タジン鍋をつかったものだったのですが、その写真だけ撮るのを忘れてしまいました。赤、オレンジ、黄色、ピンク、と色とりどりのタジンのふたが可愛く、並んで置くのも楽しいのですが、写真がなくて残念!




自宅近くに新鮮な水産物が買える市場があり、そこで今年は広島産生牡蠣を前日予約して用意。身がもっちりとして新鮮でとても美味しかったです。前菜1は、生ガキと牡蠣グラタン。


生牡蠣のふたの方をつかい、オーブンで焼いた牡蠣グラタンです。


前菜2は、鯛のカルパッチョ&サラダ盛合せです。新鮮なとれたて鯛を市場でさばいてもらい、身の部分をカルパッチョ風に薄切りにして、バージンオリーブオイルとガーリックオイルとポン酢だし、などの自家製調味料につけ、サラダの方も同じ調味料で味付けし、盛り合せました。最後に、胡椒とパルミッジャーノレッジャーノ(パルメザンチーズ)をスライスしてふりかけました。でもパルミッジャーノレッジャーノは、魚のカルパッチョよりも肉の方があいます。パリのアトリエ近所にあるレストランの生肉のカルパッチョは、オリーブオイルとパルミッジャーノレッジャーノがたっぷりとかかっていて、ほんとに美味しいのです。日本では生肉は食べませんが、あの味をよくおもいだします。 この鯛のカルパッチョサラダは和洋風味が普通の醤油などで食べるお刺身などよりずっと私好みで、この日も人気がありました。
  


付け合わせでそれぞれ小皿に、フランス産豚のテリーヌとコルニッション(きゅうりのピクルス)、オリーブ、シェーブル(ヤギのチーズ)のハチミツがけ。

これは、シャンパン&ワインのお供に。塩水にさらした薄切りリンゴの上にのせたロックフォールとくるみ。サラミは、スペイン産の最高級のもので、とても油がのって美味しいのです。京橋ワインの食材部門で売っているもので、すでにスライスしてあり便利。ここでカラスミもよく買います。







…とここまでは写真があるのに、主菜のタジンの写真を撮るのを忘れました。。。
内容は、温野菜とアスパラの豚薄切肉包み、バター醤油味でした。

主菜の前、フロマージュ(チーズ)は、コンテとブリとゴルゴンゾーラを用意。コンテは18ヶ月ものしか伊勢丹には置いていませんでしたが、やっぱり美味しい。


クリスマスケーキは、私は苺ショートケーキが一番好きです。パリ滞在中は、こういうケーキがないので、この苺ショートが食べたくなると、16区にあるヤマザキまで買いに行ったことがあります。なんといっても生クリームの美味しさが味の決め手。コーヒーは、お隣にできたコーヒー店で、マンダリンの豆を買ってきていれています。


昨年はイケアで本物のモミの木を買ってきて飾り付けしましたが、今年は電気をつけるといろいろな色にピカピカ光るLED付きツリーを買いました。いつもは母のお店に置いてありますが、この時だけ部屋に置き、その下に皆さんが持ち寄ったプレゼント置き、わくわく気分を盛り上げました。大人になってもプレゼント交換は楽しいものです。黒猫はモコちゃんです。

赤坂璃宮・赤坂本店でのランチ

「赤坂璃宮」赤坂本店でランチをしました。
今年新車購入をした車会社からの招待でしたので、コースの内容はどんなものか分かっていませんでしたが、天才料理人・譚彦彬が総料理長をする広東料理で焼物、フカヒレ、海鮮料理を看板としていると書かれていたので、とても楽しみに期待をして行きました。
味は、油がおさえられ食材のうまみが生かされたシンプルなもので全体的に美味しく、店員もちゃんとしていて、また今度何かの集まりの時にもいいなぁと思えるものでした。
ランチは、コース料理の他にお値段をおさえたランチメニューもあるので、気軽に来店できます。 クリスマス前に、ゆったりとしたランチでした。

「赤坂璃宮」のホームページ↓
http://www.rikyu.jp/

千代田線「赤坂」下車徒歩0分のBiz Tower Atriumの2F TBSなどある総合施設・赤坂サカスにあるFOOD専門の建物です。
ランチタイムは混んでいました。もちろん予約して行きましたが、必要です。
これはコースメニューで、この他にもお手頃価格のランチ有り。
最初の前菜盛り合せ
えびと豆腐のスープ だし味がよく、とても美味しかった。 りんごのワインは濃厚な甘みで美味。
壁面のディスプレイ インテリアは濃い木目調と赤で落ち着いた雰囲気です。
ほたてとイカなど海鮮&野菜炒め盛り合せ ほたてがもっちりとつまっていて美味しく、油がすっきりとしくこくないのが良かったです。野菜も新鮮。
天然海老のマヨネーズ風味  甘めのカシューナッツ入りマヨネーズソースがさらっと揚げた天然海老にかかっていて、天然海老がプリプリで身がしまっていてソースともあっていて、私好みのお味でした。
これはデザートですが、この前にエビ入りチャーハンがあったのですが、写真を撮るのを忘れてしまいました。。。撮るのを忘れて食べちゃうのですよね。。。デザートはタピオカ入りココナッツミルクを選択。
焼き菓子も最後にでました。

背後の建物はTBS放送センター、広場にはクリスマスツリーと屋外アイススケートリンクがつくられていました。屋外スケートリンクとしては都内最大級らしいです。外国人の家族連れなども見受けられ、簡単に靴を借りられてすべれるので、にぎわっていました。パリのHotel de ville(市庁舎)前では毎年このような屋外スケートリンクが設置されるので、その情景を憶い出しました。

受講生ロビー展 NHK文化センター青山教室


NHK文化センター青山教室の講座の受講生さん達のロビー展のご案内です。
詳細&写真等は以下に。是非ご覧ください。

「新しい造形表現にチャレンジ  〜コラージュ・抽象画〜」
  講師: 小西朝子(造形美術家) 
受講生作品展ー 

会期: 2011年11月28日(月)〜12月9日(金)
月〜金/ 9:30〜20:00   土日/ 9:30〜17:00

会場: NHK文化センター東京本部(青山教室)
4F受付前ロビーにて
〒107-8601東京都港区南青山1-1-1新青山ビル西館4階
TEL : 03-3475-1151   FAX 03-3475-1158

http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_471851.html

交通 : 青山一丁目下車(銀座線・半蔵門線・大江戸線)
新青山ビル西館4階
(メトロとビルがつながっており、そのまま外に出ないで西館エレベーターで
お越し頂けます。)

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  アンフォルメルの先駆者 ジャン・デュビュッフェ
           〜 現代絵画の父  カンディンスキー, etc… 』
   
本講座では、様々な近・現代の先駆者といわれる美術史上重要な作家の作品を


模写し、そこをヒントにし、オリジナルにいたる道を模索することをしています。
 

巨匠達の自由で遊び心あふれる高い精神性が生み出した形・線・現代的感覚・強烈

なオリジナリティ、などを模写することで発見することができるからです。
 

そして、模写から得た感覚を各自の制作に投影しつつ、オリジナルな世界を創って

いくことを目標としています。

受講生Oさん作品
受講生ロビー展・会場風景
受講生Aさん作品


受講生Wさん作品
受講生Oさん作品

おすすめの映画 サヴァイヴィング ライフ

チェコのシュルレアリスト、ヤン・シュヴァンクマイエル監督最新作「サヴァイヴィング ライフ ー夢は第二の人生ー」を観ました。
シアター・イメージフォーラム(渋谷)にて、10月下旬まで。そろそろ終わってしまうので、観ていない方はお早めに。

「サヴァイヴィング ライフ」公式サイト↓
http://survivinglife.jp/

シアター・イメージフォーラム↓
http://www.imageforum.co.jp/theatre/index.html

このポスター、いいです。販売していないのが残念。。
シアター・イメージフォーラムに貼ってあった記事。芸術新潮に掲載の文章(2011年9月号)は読みました。

ところで、このチェコ・アニメーションの巨匠である監督は造形作家でもあり、「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展」がラフォーレミュージアム原宿で9/19まで開催されていたのですが、こちらは見にいけず、実は映像も今回はじめて観たのです。
いわゆる先入観というものがない状態で観たのがよかったのか、最後のところで感動してボロボロと涙がでてきて自分で驚いてしまいました。映画で泣く事はないわけではないですが、韓国の俳優のように、自然に涙があふれでてくる、という事は初めてです。
封印されていた母の死と幼少時の記憶、というものが映画の最後にすべて解き明かされるわけですが、母の息子への愛と息子の母への愛の深さが現れ、テーマ全体が胸にせまってきたからだと思われます。
隣の同行者2名はまったく泣いておらず、すべての人が泣ける映画ではない事をひと言書いておかねばなりませんが、私は久しぶりに心から感動しました。

ボルタンスキー BOLTANSKI  たけしアート☆ビート「ベネチア・ビエンナーレ 2011」

たけしアート☆ビート「ベネチア・ビエンナーレ」を見ました。
ところで、これは「ベネツィア・ビエンナーレ」という題名なので、まさか後半にクリスチャン・ボルタンスキーがあれほどでてくるとは思いもよらないわけで、題名を”ボルタンスキー”にする必要があるんじゃないか、と思います。ベネツィア・ビエンナーレのフランス館の会場の展示作品からパリ市立美術館の作品、音楽院の作品、そしてめったに人をいれないアトリエまで行きあんなに撮影してインタビューしておきながら題名にボルタンスキーとなっていないのは失礼ではないですか!!、NHKに文句を言おうかと思ってしまいました。
最初は日本館に展示しているアーティスト・束芋さんがでてくるのですが、それも興味深い内容でしたが、後半にボルタンスキーがでてくることによって、最初の方の印象がすっかり薄れるぐらいの内容になっていました。
それに、番組中間違っているところがチラホラ、ボルタンスキーが高松宮殿下記念世界文化賞を受賞したのは、去年(2010)なわけはなく、私が文化庁の研修員として、ボルタンスキーのボザールのアトリエに通っていた2006年のことで、第18回目の受賞者・絵画部門の草間彌生と共に彫刻部門での受賞でした。
この時、ボザールのアトリエでボルタンスキー自身から「明後日から日本に行って天皇と食事をするのです」と聞かされ、「それはつまりキーファーが受賞した賞を受賞したという事でしょうか?」と聞きかえしたところ、「そのとおり」と言った会話をしたのをよく憶えています。
受賞したと言わずに、”天皇と食事”、と言ったのがボルタンスキーらしくて面白かったのです。ちょうどボルタンスキーが私の文化庁の研修受け入れ先となってくれてパリに滞在できていたその年に、このような日本からの大きな賞を受賞されて、なんてめでたいのだ、と思い、記念すべき年となっていました。
ちょうどその時(世界文化賞の授賞式に行く前日)に一緒に撮ったツーショット写真がこれです↓↓  私にとっては大事な宝物のような写真の1つです。

パリ・エコール・デ・ボザールのボルタンスキーのアトリエにて。懐かしい画像。この日は新学期になったばかりで50人近くの学生の作品を講評していました。2006年09月撮影

今回のたけしアート☆ビートは、最近のボルタンスキーの映像の中では一番本人の良いところがでているのではないか、と思いました。私が5年前にお会いした時に受けた印象そのままです。日本びいきのボルタンスキーなので、たけし相手に気をゆるしていたのかもしれません。
2010年のグラン・パレでの大規模な展覧会の時に撮影された、artes Editions 「LES VIES POSSIBLES DE CHRISTIAN BOLTANSKI」というDVDを持っていますが、この映像や他のインタビューの映像などを見てもどうも実際にある素朴な良い部分が感じられず、ちょっとがっかりしたので、今回のNHKによる番組はとても良かったと思います。
ボルタンスキーの一日を追う(のみの市での撮影)、や音楽院の地下にある墓地倉庫のような展示場所、アトリエ訪問など、よく取材許可がおりたものだと思うような所を、それも本人自身が乗気で案内しているのですから(それも自然な感じに撮れていて)、驚きと共に貴重な映像です。
久しぶりにボルタンスキーの様子がみれて、その話しの内容も当時聞いていた事がよみがえってきて、感動したのか涙がでてきてしまいました。
たけしもいつもの撮影とは違って最後にボルタンスキーに「色々とヒントをもらった」と深々と御礼を言っていたぐらいですから、他の作家にはない、その言動のもつ意味の大きさ、深さというものを感じたのだと思いました。

『アトリエの巨匠たち』南川三治郎写真展

先日10月13日(木)、23日(日)まで開催している南川三治郎写真展「アトリエの巨匠たち」(ギャラリーイー・エム  西麻布にて)でのギャラリートークに行ってきました。南川三治郎氏に初めてお会いでき、お話をお聞きできてとても有意義な時間を持つことができました。

会期等の詳細は以下HPをご覧ください↓
会期:2011年10月5日(水)〜23日(日)PM12:00〜19:00

ギャラリーイー・エム 西麻布 
http://www.takeuchi-studio.jp/gallery_em/index.html

写真家・南川三治郎氏の公式サイト↓
http://www.s-minamikawa.com/


なぜこの写真展のギャラリートークに行ったのかというと、私はこの南川三治郎さんによる”アトリエの巨匠たち”シリーズの写真と文章を子供の頃から『芸術新潮』(新潮社刊)で熱心にみていた一読者、大ファンの1人、だったからです。
もちろん今までたくさんの写真展をされているわけですが、私はずっとパリに滞在していて
日本にはいなかったこと、自分自身の経験をつんできた事、最近の南川氏のカミーノ・デ・サンディアゴの写真展などを拝見した時は、すでに私が計画して実行してきたサン・ジャックの道で笑顔を撮るというプロジェクトと重なるところもあり、これは一度お会いしてみたいと思っていたのもあります。
この写真との出会いは、かなり前、子供の頃にさかのぼります。私があんまり熱心に絵を描いたり造形をするのをみて祖母が画家になったらいいんじゃないかと助言し、絵画教室に通いはじめたのは3歳、自分で芸術家として生きようと決心した小学校4年生の頃、その成長とともにずっと家に”芸術新潮”と”太陽”があり、それは母がずっと定期購読していたおかげなのですが、その中でも特にこの南川三治郎さんによる写真と文章が掲載された世界中のアーティストのアトリエが紹介された連載のページだけは子供心に特に惹き付けられ、心に刻みつけられていたのです。
芸術家のアトリエ、それも世界中の一流の芸術家のアトリエというめったに見られない空間を見られるという喜びと秘密をのぞき見るようなワクワク感は、年月がたった今でも変わらずあり、世界中の巨匠と呼ばれるアーティストの顔と作品が完全に一致できるのも、この写真(芸術新潮での連載記事)のおかげです。当時の作家はほとんど亡くなっている事からもかなり貴重な写真&文章になっていると思います。
もちろん、写真集『アトリエの巨匠たち』は受賞された作品なので、その価値は十分世の中に知れ渡っているわけですが、私にとっては芸術新潮に写真と共に連載されていた”文章”も印象深く残っていて、アトリエのある場所などの説明からはじまって、アトリエを訪ずれた時の臨場感を感じるアーティストとの会話、接した時の生の感覚などが伝わってくるような文章がとてもよく書かれていて、その文章力に感心し、魅了されたのをおぼえています。
残念な事に、当時あんなにあった芸術新潮が東京から浦和への引越時と火事ですべてなくなってしまい、 今は昔のものは手元にはないのです。唯一、文章が載っている本としては、以下↓の『アトリエの巨匠に会いに行く』、という本が文章が載っていてその素晴らしさを垣間みる事ができますが、文庫本サイズで朝日新書から出されているものなので、写真が小さくてもったいない。小さくても良いものは良いのですが。
 おススメの本↓
『アトリエの巨匠に会いにいく』南川三治郎 2009年・朝日新書刊
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=10467

芸術新潮ぐらいの大きさで当時の文章と写真(1作家につき3枚ぐらい)を掲載したものを、重くなるので薄がたで何冊かのシリーズにしてまとめてだしてもらいたい、、と切に思います。
写真集『アトリエの巨匠たち』(1980年・朝日ソノラマ刊)『アトリエの巨匠・100人』(1994年刊・新潮社)はそれぞれの作家に1ページ写真を選んで掲載されていますが、南川氏による文章がないのが私には残念なのです。
ところで、写真集『アトリエの巨匠たち』(1980年・朝日ソノラマ刊)に、パリ18区の私のアトリエがある同じ建物(アトリエ群)で長年制作している知人のアーティストMonique Journod が掲載されているのが最近分かり驚きました。もちろん今よりも30歳は若い姿で撮られているわけですが、私が知り合ったのは、このアトリエ群に8年前に入居してからなのでついこの間のこと。

左側の女性がMonique Journodさん。2010年のアトリエ公開で、私のアトリエにいらしたところを撮った写真です。日本人の知合いが多いことはよく本人から聞いていましたが、まさか南川氏の写真集に載っているとは思っていませんでした。
以下↓のページがMoniqueさんと私のアトリエがある建物の紹介HPです↓Moniqueさんは
パソコンをやらない為か?名前が掲載していないようですが。。私の紹介ページは、Peintresのところの一番上の名前をクリックすると見られます。
このアトリエ群は、ヨーロッパで最大・最古のアトリエ群なので、高齢のアーティストも多いです。 環境が良いので、出て行かない、生涯を過ごす方も多い様です。
 http://www.montmartre-aux-artistes.org/menu_Peintres.php

話しが長くなりますが、 さて今回のギャラリーイ・エムでの写真展ですが、なんと15年前に制作された作品の本邦初公開! アルシュ紙を私製印画紙にし、現像液に浸して制作したという15年前にしては斬新な技法で、15年間保存されていた作品なのに、全然変わっていない(紙の退色など)という事は当時の制作過程がよかったのでしょう。白黒で刷毛跡を全面にのこしているという点がまた写真集のカラー写真とは違った印象、絵画的な効果というのもあります。
今回、私はこの貴重な作品のうち、以下のアーティストを撮った作品を3点購入しました。

1: ピエール・スーラージュ (フランス人造形アーティスト)
2: ピエール・クロソウスキー(フランスの小説家・思想家・画家  バルテュスの実兄)
3: フランチェスコ・クレメンテ(イタリア人造形アーティスト)

すべて私の好きな作家達。これは貴重なコレクションとして大事にしたいと思います。
私が10月13日(木)にお会いした時に撮らせて頂いた南川三治郎氏の写真は以下に↓

私が購入した、クレメンテの写真作品を指さして下さっています ♫
このクレメンテの写真作品は、刷毛跡の効果もあり、水の中にいる(映った)孤独なアーティストといった風情を感じます。
こちらはスーラージュ。リミテッドエディションなので、3枚の限定枚数のうちの1枚。
私が選んだ作品のスーラージュとクレメンテは偶然にも両方とも座りで左足をあげて手をのせているポーズでした。

他に作品として魅力的だったのは、クリストとステラ、好きという理由でタピエスなど。
アネット・メサジェがありましたので、ボルタンスキーがあるかとお聞きしたところ、ないとの事で残念。もし昔のボルタンスキーの姿があったら必ず購入していたことでしょう。なんといっても私にとっては恩人でもあります。ボルタンスキーが私の研修受け入れ先になって下さったお陰で、2006年に文化庁派遣研修員としてパリに滞在できましたので。
ともかく、南川三治郎さんご本人から、この世界の巨匠のアトリエを撮るという企画をはじめたいきさつから作家に会うまでの苦労話しなど、興味深いお話しをお聞きできたのはとても有意義でした。スーラージュのお話しも聞けてよかったです。宝のような沢山の貴重なエピソードをまた色々とお聞きできる機会があるといいな、と思いました。

亡き彫刻家・井出則雄さんの作品と猫



この写真は↓、亡き彫刻家・井出則雄さんの鉄作品『夏の窓』(1978年)の間を器用にくつろぎの場所にしている、愛猫はなちゃん。

葉のような表現部分がとげとげしているので身体にあたって痛くないのかと思いますが、この空間がお気に入り。鉄なので、作品に影響はなさそうですが、最初はひやひやしました。うまく隙間に寝ています。。

この彫刻は、亡父(フランス文学者・小西忠彦)が気にいって井出さんから購入したもの。井出さんとは同じ宮城教育大学で教えていたのもありますが(井出さんは美術学部教授)、気があって親しくお付き合いしていました。父の遺品なので大事にしています。

置かれる空間は、日本間でも洋間でも、真っ白な漆喰のようなマットな壁、作品越しに見える庭の白砂利、日差しのたっぷり入る空間があうと思います。シルエットが壁や床にうつされるような感じが理想ですが、残念ながら現実は狭いところに置かれ猫のくつろぎ場所となっていますので、それは将来の話し。いつか必ずそういう場所に置きたいと思いながら。。。

このページに↓井出則雄カタログ『NORIO IDE』(1979年刊)に父が書いた井出則雄小論が載っています。


3ページ目にこの作品(全体像)が小西忠彦(ご遺族)蔵と書かれて載っています。