先日22日(木)に行った、「生誕100年 ジャクソン・ポロック日本初回顧展を記念して ーポーリング技法にトライ!ー」のNHK文化センター青山教室での講座は、多くの方にご受講いただき、盛況のうちに無事終えることができました。
塗料から支持体などの材料、テキスト、など準備に結構な時間がかかりましたが、床でするポーリングの楽しさと難しさを体感して頂けたと思います。
ジャクソン・ポロックがなぜポーリングをするようになったのか、突然ポーリングがはじまったわけではないので、その前段階や技法についてもっともっとスライドをお見せしながらお話しができればよかったのですが、講義プラス実技で3時間という時間内で(実技講座としては長い方らしいのですが)、短縮してお話しするのは大変でした。
できあがった作品は、それぞれ違うものになり、 すべての作品をずらっと並べてみたかったですが、画面を乾かす必要もあり、時間がなく残念でした。
一日だけの講座としてポロックのポーリング技法を企画したのは今回が初めてで、日曜日におこなっている通常講座(NHK文化センター青山とNHK学園国立オープンスクール)ではだいぶ以前に授業内で取り上げたことがあります。 今回は、塗料を含めて内容もポロックに関する事すべてを再度考察をし直して取り組みました。
実技優先でしたので、説明の足りなかった所は、テキストの方もじっくりと読んで頂ければ、と思います。 また、まだ東京国立近代美術館(竹橋)に行かれていない方は、ポロック展は5月6日までやっておりますので、是非足を運んで、実際の作品のポーリングの線を真近でみてきて下さい。
今回一回だけの講座では技法を会得はできませんので、何度もやってみて下さい。
通常の講座でもポロックの背景とその技法(ポーリング・ドリッピング・スパタリング)については、また時間をたっぷりとってする予定でいます。

|
今回のポーリング技法に用意した塗料:乾かす時間を考えると水性に。
ポロックは黒色には油性の"エナメル塗料" を使っていた事もあり、
粘性を考慮すると "つや有り" である事が大事。
ポーリングはどんな塗料を使うかが重要です。よくアクリル絵具で、
水で薄めて、底の浅い器などに絵具を入れたものでポーリングをやろう
としている人がいますが(TVでもそういう光景を眼にしますが)
それではドリッピングにしかなりません。
そういう絵具ではポーリングの線はできないのです。
ポロックは粘性のある塗料の特性を生かして、このポーリングという線
の技法を生み出したので、ここが重要なポイントです。
線がどれだけ長い時間もつか、という事は、どんな塗料を使うか、缶の
大きさまでも、よく考慮して選ぶ必要があります。
色についても、ポロックが主に使っていた色に近い色を用意。
|
 |
最初にスライドでの作品説明と塗料に関する説明 |
 |
塗料の粘性による線を特性とするポーリングの説明を
しながら実際にデモンストレーション |
 |
塗料の缶は左手にもってポーリングすること!
など注意点を説明 |
 |
ポーリング、ドリッピング、スパタリングの
技法をデモンストレーション |

|
デモンストレーションの後、実技に。
今回は、フリーズといわれるポロックがよくつかっていた
横長の画面に近い、Mサイズの張りキャンバスをご用意し
ました。
張りキャンにしたのは、画面が小さいので後で端がまくれ
あがってしまうのを防ぐためです(短時間での制作のため)。 |
 |
受講生:下地に刷毛で色をのせたところ↑から↓へ |
 |
上記受講生がポーリングの線をいれたところ。
どの線を全面にだすかが問題 |
 |
ポーリング用の筆は長い棒状のもので
(油用の筆の先が固まってしまったものなどを使用)。
ドリッピングは刷毛で。使う太さや大きさで効果が
変わってきます。 |
 |
必ず缶を左手に持ってポーリング。
缶を持ってやらないと瞬間瞬間を
すぐに線をいれていく行為ができません。
線のコントロールもできません。 |
 |
受講生Eさん: 途中でドライヤーで乾かしてから立てかけて全体をみる。
乾いてないのに立てかけては絵具がたれてしまい、折角の線が台無し
になりますのでご注意を。 |
 |
受講生Fさん:乾燥後、立てかけて全体の様子をみる |