軽井沢24日:懐かしの セゾン現代美術館 

24日(軽井沢)は、友人の車で、久しぶりのセゾン現代美術館→ハルニレテラスでランチと買物→石の教会・内村鑑三教会、などをまわりました。

セゾン現代美術館も24日までで、冬期休館となります。
『堤清二=辻井喬』展が開催中でした。  
懐かしいアンゼルム・キーファーのインスタレーション作品『革命の女たち』のRoomがあり、これが見れたのはよかったです。 昔、池袋にあったセゾン美術館で観たキーファーの大規模な企画展を思い出しました。
キーファーの作品は3点あり、この広いスペースだからこそ。堤清二さんに感謝ですね。
無印良品や吉野家の牛丼、ファミリーマートまで実業家・堤清二さんが手がけていたとは、知らない人も多いのでは。
他には、クレーやカンディンスキーからはじまって、アバカノヴィッチ、サイトォンブリ、ティンゲリー、クレメンテ等、近・現代美術の名だたる名作が勢ぞろい。。特に、アバカノヴィッチは、私の好きな世界のアーティスト3名のうちの1人。
ただ、とても残念なのは、展示の仕方です。あまりにもひどすぎて、怒りがこみあげてくるほど。
ド素人が展示したのではないか、と思うような展示で、一体どうなっているのか?

ティンゲリーの廃品を集めた巨大な動く彫刻の後ろの見えないところにセザールの彫刻があったり、アバカノヴィッチの作品の向こうにキーファーの遠近法の作品があればいいのに、なぜかクレメンテの傾向の合わない作品だったり、作品と作品との展示隙間があり得ないほど狭すぎて、なにがなにやら分からなくなるほどキツキツに展示してあったり、先のキーファーの『革命の女たち』の部屋にしても、入れないようにロープがしてあったり、隣はサム・フランシスの部屋で傾向違いすぎたり、彫刻は下にレンガが置かれ、そこにキャプションがついていたり、とにかくあり得ないような驚く事がいっぱい、めちゃくちゃです。
それに、今回の企画展の『堤清二/辻井喬』展 についても、同一人物だと分かっている人はいいですが、知らない人がみたら、よく分かりません。会場のそこかしこに、本や原稿が置かれてあるな、といった印象で、企画展自体の構成もよくありません。
だいたい、吉野屋やロフトなどのロゴの壁紙の上に、マン・レイの作品を展示する、というセンスも、よく分かりませんし、とにかく、作品について何もわかっていないド素人が展示している、としか思えませんでした。
今やこれだけの広い敷地に、これだけ世界中の現代美術の名作の収集がある日本の美術館は稀、貴重なのに、その各作品が意図している世界を全く理解していない、という展示は、残念を通りこして、”日本の恥” だと思います。
まして、私はつくり手なので、こんな展示を作者がみたら、さぞかしガッカリするだろうな、と日本の美術館関係者のレベルの低さに深いため息がでました。
せっかく素晴らしい作品があるのだから、展示さえよければもっと日本(世界)各地から人が来るでしょうに。
この広大な庭と、建物の広さは、”ゆとり”そのもので、この土地だからこそ味わえる”ゆとり”と現代芸術のもつ壮大なスケール感があわさり、とても非日常的な貴重な空間なのです。
なのに、作品が何をいおうとしているのか、をまったく理解していない展示は、作品世界を侮辱しているかのようでもあり、腹立たしさがおさまりませんでした。
(ちなみに、庭の野外展示の方はまあまあでした。)

石の教会・内村鑑三は、アーチの石つくりで自然を取り込んでいてとても良かったです。ケロッグというアメリカ人建築家の設計です。
また、軽井沢高原教会の前の広場はクリスマスイリュミネーションが素敵。ロウソクの光で、柔らかい光になり、一色のイリュミネーションがパリと似ていてとてもシックでした。
この時期の軽井沢は、別荘族がいなくなり、街から人が消える、といいますが、どこもかしこもクリスマスイリュミネーションがとてもいい感じです。

セゾン現代美術館中庭
  


Arman アルマンの珍しい作品

アンゼルム・キーファーの展示室『革命の女たち』
セゾン現代美術館は内部は撮影禁止でしたので、これだけ。


石の教会・内村鑑三教会

内部 礼拝堂


軽井沢高原教会前のクリスマスイリュミネーション



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