短期講座の方も”新しい造形表現”にそった内容で、色々な技法をとりあげてきました。こんな講座があったのか、というような他にはない内容ばかりです。
短期講座の方は、前から興味はあったがなかなかはじめる機会がなかった方や、とりあえず短期間だから、という軽い気持ちで初心者の方でもご受講しやすくなっています。
前置きはともかく、記憶に新しい一番最近(2019年4月〜6月・春期)終了した短期講座のご紹介です。
内容は、定期講座のタイトルにもなっている、”コラージュ技法”。
定期講座で長年教えてきたコラージュですが、一般的にコラージュ技法については基礎というべきものが正確に伝わっていない、まだまだ理解が深まっていない、浸透されていないと思えます。 パリと日本を長年行き来してきた中で、日本とフランスの理解度の違いも感じるところがあります。
現代ではコラージュについては、ちまたに溢れかえっているわけですが、それでは、美術におけるコラージュは誰が最初にどういう流れの中で始めたのか、と問われれば、答えられない人が多いのです。
そこで、基本に立ち返り、基礎的理解が一番大事、ということでピカソとブラックのコラージュ作品をとりあげて、コラージュの歴史と技法について学び、実際に制作もする短期講座「〜コラージュ創始者・ピカソから学ぶ〜コラージュ技法 Le Collage」を開講いたしました。(以下にその概要を貼り付けます)
以下は講座風景や受講生の様子・作品など。
2019/05/10【スライドショーとレクチャー】第1回
お配りしたコラージュ用材料
定期講座で長年教えてきたコラージュですが、一般的にコラージュ技法については基礎というべきものが正確に伝わっていない、まだまだ理解が深まっていない、浸透されていないと思えます。 パリと日本を長年行き来してきた中で、日本とフランスの理解度の違いも感じるところがあります。
現代ではコラージュについては、ちまたに溢れかえっているわけですが、それでは、美術におけるコラージュは誰が最初にどういう流れの中で始めたのか、と問われれば、答えられない人が多いのです。
そこで、基本に立ち返り、基礎的理解が一番大事、ということでピカソとブラックのコラージュ作品をとりあげて、コラージュの歴史と技法について学び、実際に制作もする短期講座「〜コラージュ創始者・ピカソから学ぶ〜コラージュ技法 Le Collage」を開講いたしました。(以下にその概要を貼り付けます)
この講座は何度開催しても価値のある講座だと思います。
ちょうどこの時期、ピカソ作品のテーマごとに異なる展覧会がパリの3ヶ所の美術館で同時に開催され、ピカソという21世紀の巨匠の仕事の全体をみられる絶好の機会がありました。(オルセー美術館、ポンピドゥーセンター、ピカソ美術館というパリの主要美術館の三ヶ所で同時に開催)
もちろん注目度は高く、どの会場も大勢の人出でした。
私がその中で最も注目したのは、ポンピドゥーセンターでの「Le Cubisme ル・キュビスム」展です。
ポンピドゥーセンター(Centre Pompidou)というのは、パリのマレ地区にあり、ピカソ以降の近代・現代美術を収集・展示している世界的にも有名な美術館の一つです。
そこで、開催された「Le Cubisme ル・キュビスム」展では、ピカソとブラックによって始められたコラージュ技法による作品も数多く展示されていました。
コラージュ技法の創始者がパブロ・ピカソである事、コラージュはキュビスム(立方体派)という現代美術の大きな動向の中ではじめられた技法である事、まずこの2点が重要です。
まず、キュビスムもコラージュもピカソが始めた、という事を知らなければなりません。
そして、そもそもキュビスムがどのような動向であったかを知らないとコラージュについての理解が表面的なものになってしまうのです。
そして、そもそもキュビスムがどのような動向であったかを知らないとコラージュについての理解が表面的なものになってしまうのです。
そういうわけで、この春期の短期講座では、1日目に私が実際にポンピドゥーセンターで撮ってきた写真のスライドショーをお見せし、キュビスムとは何か、コラージュとは何か、について資料と共にレクチャーをしました。
平行してはじまった定期講座の方では、キュビスムだけをメインにし、キュビスムについての理解を深めて頂く講座にしました。
こういう講座は現代においては益々されるべき、何度も繰り返し開講されるべき講座だと思っています。
日本のカルチャーセンターで昔からされているありきたりな従来の美術講座ばかりでは、ますますとり残されていくのです。 美術・芸術というのは本来、先を行かなければなりません。
そんな高度な知識はいらない、とカルチャーセンターの責任者からは言われそうですが、専門的な知識を一般の人が得てはいけないという事はないのです。反対に、専門家から正確で高度な知識を学ぶ事で、初めてその世界への眼が開かれるものではないでしょうか。
カルチャーセンターだから遊びのような簡単な感覚のものができれば良い、というわけではないはずです。 私はそういう思いで長年講座をしてきました。
以下は講座風景や受講生の様子・作品など。
「〜コラージュ創始者・ピカソから学ぶ〜 コラージュ技法 Le Collage」
2019/05/10【スライドショーとレクチャー】第1回
画像をスライドショーでお見せした後、お配りした資料(テキスト)をもとにレクチャー。レクチャーの模様は残念ながら今回は写真を撮っていませんでした。
終わった後にホワイトボードだけ撮ったもの↓
お配りしたコラージュ用材料
これは紙のもので、パリから持ってきた新聞(ル・モンド)や雑誌切り抜き、包装紙など。 2回目以降のコラージュ技法の実技に使う材料は全て私がご用意しました。
2019/05/24 【実技】材料・技法の紹介と実践 第二回
前回のキュビスムについてのおさらいとコラージュについてのレクチャーの後、実技に入りました。
コラージュに使う材料
この日はピカソのコラージュ作品の模写に集中してとり組みました。
模写をする意義はとてもあり、発見がたくさんあります。
例えば、簡単そうに見えた画面構成が絶妙のバランスで成り立っている事。
材料もただ単につかっているのではなく厳選されていること。マチエールの違いを出していること。見ているようで見ていなかった細部、理解出来ていなかった事が実際に模写をする事により明確にみえてきて、発見と共に学ぶことが沢山あるのです。
講評会:ピカソ作品の模写(ここまで1時間半ぐらい)
まだ途中の段階ですが、だいぶ感じが出てきました
コラージュをし、だいたいの配置ができたところ
前回からここまでやってきて頂きました。(並び順は前回とは異なっています)
受講生Oさんの途中の作品:配置が良い感じです
講評会:応用編(ここまで1時間半ぐらい)
コラージュは初めての方もいらっしゃいましたが、1時間半でここまで進みました。
続きは次回まで各自宿題となりました。(それぞれの課題をお伝えしました)
2019/06/28 【実技】コラージュ 応用編
前回からここまでやってきて頂きました。(並び順は前回とは異なっています)
ピカソ作品の模写は、ほぼ完成です。
受講生Oさんの途中の作品:配置が良い感じです
このように↓↓ 線とキュビスム的形態を加えていき
講評会:応用編(ここまで1時間半ぐらい)
短時間で模写だけでなく応用編もし、それぞれの作品が出来上がりました。
まだ完成ではない方もいらっしゃいましたが、講座内の短時間でここまで出来たという事はかなりの成果です。
ひき続き、コラージュの本当の面白さが会得できるまでもっともっと続けて頂きたいと思いました。
Photos©️Uran-AsakoK.
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