クリスチャン・ボルタンスキー 東京都庭園美術館

展覧会案内
国内では水戸芸術館での個展以降、東京では初個展・待望の大規模な個展になる
クリスチャン・ボルタンスキー 『アニミタスーさざめく亡霊たち』 

2016年9月22日(木・祝)–12月25日(日)
会場:東京都庭園美術館(本館・新館ギャラリー1・2)

http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/160922-1225_boltanski.html





クリスチャン・ボルタンスキー氏は、2006年に私の文化庁海外研修派遣での研修受入れ先になって下さった芸術家で、フランスを代表する現代美術家です。 同年2006年に高松宮殿下記念世界文化賞を受賞された時にボザールでした会話は記憶にしっかり残っています。 2015年パリのMarian Goodman Galleryでの個展で久しぶりにお会いしました。


以下は展覧会詳細:

フランスの現代美術家クリスチャン・ボルタンスキー(1944年-)は、映像作品やパフォーマンス性の高い作品を制作していた初期から現在まで一貫して、歴史の中で濾過される記憶の蘇生、匿名の個人/集団の生(存在)と死(消滅)を表現してきました。
自己の幼年時代の再構築にはじまるボルタンスキーの記憶をめぐる探求は、次第に他者の記憶のアーカイヴへとその主題を移し、1980年代には、ヨーロッパを中心に歴史認識を再考する議論が活発化した社会状況や、ユダヤ系フランス人の父親の死に呼応するように、先の大戦にまつわる歴史と記憶、殊にホロコーストを想起させるようになります。写真や衣服、ビスケットの缶などごく日常的な素材に人間の根源的なテーマを滑り込ませるインスタレーションは、それを知覚する鑑賞者の感情を揺り動かし、見るものと見られるものの記憶の交錯を生み出します。
東京で初個展となる本展では、時代の転換期の中で重ねられた歴史と、往来した人々の記憶を宿す旧朝香宮邸で、<亡霊たち>のさざめく舞台が展開します。踊る影に、名もなき人々の眼差しに、遠い地で微かな音色を奏でている数百本の風鈴に、そしてささやく「声」に、<亡霊たち>は立ち現れます。この<亡霊たち>は、すでに失われた過去のものではなく、「アニミタス」という言葉の語源が「霊魂」のほかに「生命」をあらわすように、今ここに存在しないもの(あるいは、したかもしれないもの)、まだ生まれていないものたちが、この世界に確かに存在し、そうした無数の「他者」と共に私たちは生きているということを伝えるものです。
ここ東京都庭園美術館で<亡霊たち>と鑑賞者の眼差しが出会うたびに、時間と空間と記憶が入り混じり、美術館を超えて世界を知覚するための新しい眼差しが生まれるでしょう。

[関連イベント]
記念講演会
日時: 9月22日(木) 14:00〜16:00
会場: 日仏会館1Fホール(渋谷区恵比寿3-9-25)
登壇者: クリスチャン・ボルタンスキー、逢坂恵理子(横浜美術館館長)
定員: 150名
参加費: 無料
※日仏同時通訳あり
※お申し込み方法は公式ホームページからご確認ください。8/22から予約開始です。

ARTBOOK CLUB わたしの中の亡霊
第一回: 「インスタレーションと鑑賞者のエモーショナルな関係」
日時: 11月25日(金) 18:00〜19:30

第二回:「一風変わった幼少期からアーティストボルタンスキーの誕生」
日時: 11月26日(土) 14:00〜15:30
会場: 本館
定員: 各回20名
※お申し込み方法は公式ホームページからご確認ください。10/25から予約開始です。

キュレーター・トーク
日時: 11月4日(金)、12月9日(金) 17:00〜(約30分)
参加費: 無料
※当日の混雑状況により入場制限を行う場合があります。
※予約は不要ですが当日の入場券が必要です。

インターン・トーク
日時: 10月19日(水)、11月16日(水)、12月7日(水) 15:00〜(約20分)
参加費: 無料
※当日の混雑状況により入場制限を行う場合があります。
※予約は不要ですが当日の入場券が必要です。
※関連イベント詳細は公式ホームページよりご確認下さい。



2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

この作品はパリの Mariann Goodnann Gallery の地下の展示室で見ました。
沢山の亡くなった人達の魂の声が風鈴の音になったように感じ、癒しの感覚をおぼえました。

匿名 さんのコメント...

庭園美術館に この個展を見に行くのは楽しみです。美術館となる以前に、ここがかって
朝香宮邸であった頃に,庭園の中にプールがあり,夏になると子供達を連れて行った
思い出深い場所です。